橋本裕の日記
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| 2002年04月08日(月) |
物事の奥行きを見よう |
最近、イスラエルとパレスチナの紛争が泥沼化している。両方に、それぞれの言い分がある。これを「文明と野蛮との戦い」だとか、「二つの文明の衝突」だとかいう人があるが、すこし認識が浅いような気がする。
1095年、キリスト教世界は十字軍を組織して150年間、聖地エルサレムをイスラム教徒の支配から「奪回」しようとした。これはキリスト教徒にしてみれば「義の戦い」だが、攻められたイスラム教徒にすれば、「侵略戦争」であり、十字軍は「侵略軍」ということになる。
十字軍に限らず、すべての物事は、それを見る視点によって、その評価が違ってくる。アフガニスタンのタリバンに対するアメリカの軍事行動も、アメリカからすれば「テロとの戦い」だろうが、タリバンの立場からすれば、また違った解釈があるはずである。アメリカという国家そのものが恐るべき「テロ国家」だという解釈も成り立つからだ。
しかし、ただ別々の視点に立って物事を眺めるというだけでは、「安易な相対主義」でしかない。大切なのは複数の視点をもつことで、私たちに物事の奥行きが見えてくることだ。この奥行きの発見こそが大切なのだろう。すこし難しい表現をすれば、「現象を実体化」することが必要だと思う。
私は「現象論、実体論、本質論、実践論」という真理追究の「四段階論」を、物理学や哲学を勉強するなかで身につけたが、これはなにも自然現象や哲学に限ったことではない。社会現象を理解する上でも、大いに役にたつし、むしろ社会科学でこそ、活用されるべきだろう。このHPが、そのささやかな実践例になるようにと、心がけている。
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