橋本裕の日記
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日本人として、将来の世代に残したいものを3つ上げるとしたら、何だろう。こういう話を北さんやtenseiさんと交わしたことがある。かってこの日記帳にも書いたかも知れないが、改めて考えてみた。
まず、第一に大切にしたいもの、それは「日本の美しい自然」である。このことは先日、紅葉狩りに出かけて、自然のふところに身をおきながら、ますます痛感した。
私の尊敬する良寛さんの歌に、「かたみとて何か残さん春は花夏ほととぎす秋は紅葉葉」というのがある。人間のつくったもの、文化や文明も貴いが、しかし自然の大きな営みの前には色あせる。良寛さんの書や歌がいくらすばらしいと言っても、やはり自然の妙にはかなわない。芭蕉の言葉にもある。
「風雅におけるもの、造化にしたがひて四時を友とす。見るところ花にあらずといふことなし。思うところ、月にあらずといふことなし。かたち花にあらざるときは夷荻にひとし。心花にあらざるときは鳥獣に類す。夷荻を出、鳥獣を離れて、造化にしたがい、造化にかえれとなり」(笈の小文)
そもそも人間の存在そのものが、造化の賜である。いくら遺伝子工学が発達しても、人間そのものは作り出せないだろう。人間どころか、鳥獣や花の一本だって、その精妙さをまねるのはむつかしい。「野のユリを見よ」と、聖書にも書かれている通りである。
自然の中でも、とくに大切にしたいのは森林である。日本はフィンランドについで世界二位の森林被服率を誇っている。それは私たちの先祖が自然を崇拝し、これを大切に守ってきたからだろう。この豊かな自然を、そのまま後の世代に財産として残したいものである。
さて、残りの二つの宝はなにか。人によって議論が分かれるところだろうが、私は「万葉集」と「日本国憲法」をあげたい。なぜこれを選ぶのか、そのことについては、明日と、明後日の日記にそれぞれ書いてみたいと思う。
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