橋本裕の日記
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2001年11月04日(日) 美を求める旅

 北さん、徳さん、eichan、ひらさん、私の5人で、恒例1泊2日の「万葉の旅」にでかけた。初日は琵琶湖湖畔にある高月町を訪れ、渡岸寺と立石寺の十一面観音さまを拝んだ。

 渡岸寺の観音さま(国宝)は気品がただよい、匂うような美しさだった。立石寺の観音さま(重文)は唇がほのかに赤くて、いかにも庶民的でほのぼのしている。対照的な美しさを持つ二体の観音さまを間近に拝めて、ほんとうに満ち足りた思いで、雨の高月町をあとにした。

 6時頃、京都のホテルに荷物を置いて、夕食をとるために鴨川のほとりの中華料理店にはいった。大正時代に建てられた由緒ある建物で、エレベーターなども旧式で格式を感じさせる。しかし食べて飲んで、ひとり2千数百円は安かった。味も良かったので大満足である。

 そこを出て、先斗町を散策した。北さんの思い出の店でコーヒーを飲もうと言うことになったが、あいにく店が変わっていたので、別も店に入った。そこでダッチ・コーヒーを飲んでいると、着飾った舞子さんが数人入ってきた。十一面観音さまもいいが、生身の美女も悪くはない。ラッキーな一日だった。

 今日の午前中は、嵐山界隈の寺をめぐり、紅葉狩りを楽しんだ。まだ幾分紅葉の季節には早かったが、それでもところどころ紅葉している木を見つけて、季節の美しさを味わった。そして、昼食をすましたあと、広隆寺へ。

 広隆寺の弥勒菩薩半伽思惟像は国宝第1号だけあって、ほれぼれする美しさだった。残念なことは、堂内が薄暗く、そのうえ拝観席から少し遠いので、せっかくの有名な微笑もはっきりとは見えない。ただ全体に凛としてしかも匂うような美しい気品を感じた。

 広隆寺にはもう一体、国宝の弥勒菩薩半伽思惟像がある。俗に「泣き菩薩」といわれる小柄な仏像で、こちらの方が好きだという人もいる。しかし、やはり表情まではわからない。ただ全体に漂う美しさを少し離れたところから観照するだけである。もうすこし間近から拝みたかった。

 車を運転してくれたのは、いつものことながら、徳さんである。京都を後にして、しばらくした頃、「このあたりが、蒲生野ですね」という。額田王と大海皇子の相聞歌で有名な地である。最後になって、ほんの少しだけ「万葉の旅」らしくなった。


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