橋本裕の日記
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| 2001年11月02日(金) |
今こそワークシェアリング |
総務省の発表によると、9月の完全失業率は5・3%で、これは史上最悪だそうである。前月より一挙に0・3ポイント悪化したのも1967年以来のことだそうだ。
電機メーカー大手が大幅な人減らしに踏み切るなど、製造業の雇用が減り続けている。この先不良債権処理を含めた構造改革が進めば、さらなる失業増は避けられない。同時多発テロや狂牛病による影響もやがて出てくるだろう。
さらにアメリカの経済成長率がマイナスに転じたという報告があり、今後この影響が日本の輸出産業の不振となって跳ね返ってきそうである。このままではこれからますます失業率は悪化しそうである。
こうした中で、10月18日に日経連と連合が「雇用に関する社会合意推進宣言」を共同でまとめた。ワークシェアリングや賃上げ自粛により、全体のコストや雇用を生み出していこうというわけだ。正社員にこだわらず、パート労働を容認し、しかもパートにも正社員に準じた給料や待遇を保証する制度は、すでにオランダで成功している方式である。
これまで労働時間短縮と引き替えに賃金がカットされることや、パート労働の増大に抵抗を示していた労組側がようやく作戦をかえて、賃上げやパート労働に柔軟に対応する姿勢をみせはじめたのは大きな前進だといってもよい。
73年秋の石油危機時にはパートなどを解雇し、正社員の雇用を守ったが、今回の不況では、正社員を減らし、パートや派遣などの非正社員を雇う現象が起きている。たとえばこの5年間に正社員は約200万人減り、パートや臨時雇いは200万人以上増えた。
ここで問題なのは、パートなど非正社員の働く条件が正社員に比べ悪いことである。パートと正社員との賃金格差は6年前まで30%程度だったのが、現在は34%にまで広がっているという。この格差を縮めることで、実質的なワークシェアリングが実現できる。
正社員だけが、責任のある仕事をし、長時間労働をする時代ではない。正社員とパートなどの非正社員との境目を低くし、雇用や賃金を分け合うことが雇用悪化を食い止める大きな手だてになる。
オランダの場合は労使に加えて、政府が同意に加わり、3者の合意で一気にワークシェアリングが実現した。12パーセントもあった失業率が、十数年間で3パーセント台にまで下がっている。日本の場合も政府がこの合意に加わることで、早期にこの合意を実現させたいものだ。
高失業という逆風を、むしろ奇貨とすることでワークシェアリングが実現できれば、私たちは余暇重視型のあたらしい生活スタイルへ脱皮することもできる。そうすれば私たちは今よりは格段にしあわせな、実りある人生を楽しむことが出来るだろう。
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