橋本裕の日記
DiaryINDEXpastwill


2001年10月23日(火) 世界同時不況と戦争

 日本の平均株価は、85年の13,000円台から、89年の年末には39,000円レベルまで急角度で上昇した。5年間で株価水準が3倍にもなった。同じように、米国株式市場もダウ平均株価で、95年の4,000ドルから99年、2000年の11,000ドル台へと、こちらも5年間で約3倍になっている。

 日本の場合は、株式・不動産バブルと呼ばれ、バブルがはじけた90年代に入ってほぼ一貫して下落基調が続き、株価はバブル最盛期の3分の1以下にまで下落した。米国の場合はITバブルと呼ばれている。在来産業の多いダウ指数は、何とか9,000ドル代で推移しているが、IT銘柄が多いNASDAQ(店頭市場)は、すでに高値の3分の1程度まで下落している。

 株価などの資産価格が下落すると、株式を保有している投資家の収益状況が悪化する。そうすると、投資家はさらに株式を購入することに消極的になり、この先米国株式市場がさらに下落する可能性も大きい。

 さらに今回のテロ事件やその後の炭疸菌事件が経済に与える影響が懸念される。不安と恐怖が人々の心を支配し、航空機を利用して、観光地や遊園地に出かける人も減少している。消費者マインドが冷えて、景気が悪化することも考えられる。日本経済が低迷するなかで、頼みのアメリカ経済もまた先行きが危ぶまれる。

 世界経済を牽引してきた米国の経済が息切れして、牽引役がいなくなると、世界同時不況ということも考えられる。そうすると、こうした中で、戦争に活路を見出そうという声が起こってこないとも限らない。

 アメリカ国防省や軍需産業は年に2,3回の小さな紛争、10年に一度くらいの戦争を想定して武器補充計画を立てているという。1991年1月の湾岸戦争からはや10年が過ぎた。「そろそろ戦争を」という声もありそうである。

 アメリカ経済が長い停滞を脱して急成長をはじめたのは湾岸戦争の後だった。さらに歴史をふりかえれば、アメリカ発の世界大恐慌から立ち直ったのも、第二次大戦のあとである。アメリカという国はこれまで戦争によって経済を立て直してきた実績がある。アフガン空爆がこの悪しき伝統の復活でないことを祈りたい。


橋本裕 |MAILHomePage

My追加