橋本裕の日記
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アフガンでは、79年の旧ソ連軍侵攻とその後の内戦で、人口の3分の1が隣国のパキスタンやイランへ流出したという。さらに昨年、アフガンを空前の大干ばつが襲った。被害はアフガン全土から周辺諸国に広がり、400万人が飢餓に直面。100万人が餓死寸前との世界保健機関(WHO)の報告がある。
非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表、中村哲医師らはこの大災害を目にして一人でも多くの人を助けるために干ばつ対策に専念することを決断し、アフガン東部一帯で井戸掘りを始めた。その結果、約1年で20万人以上の難民化を防いだという。ところが、命をつなぎ留める地下水でようやく息をつきかけたころ、今回の同時多発テロが起きた。
日本人に退去勧告が出されたとき、中村さんはアフガン東部のジャララバードで、ともに作業したアフガンの人たちを前に「やむを得ず一時避難します。米国による報復でここも危険にさらされています。しかし、私たちは必ず帰ってきます。生き延びたあかつきにはまた汗を流しましょう」と語りかけた。
そうすると長老が立ち上がり、「皆さん、世界には2種類の人間があるだけです。無欲に他人を思う人、そして己の利益を図るのに心がくもった人です。私たちはあなたたち日本人と日本を決して忘れません」と応えたという。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、アフガンで発生した難民は世界最多で、同時多発テロ直前の9月10日現在、パキスタンに200万人、イランに150万人など計約370万人に上るという。
さらに今、戦火を恐れ100万人以上の避難民が農村部や国境付近へ逃れている。攻撃が始まったことで、新たに150万人の難民が隣国へ流出すると予測される。
内戦と干ばつ、そしてこのたびの戦禍で、多くの人々が家を捨て、難民となって路頭に迷っている。この悲劇が終わるのは何時のことだろう。テロへの報復を叫ぶ人々の目に、この現実が見えているのだろうか。
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