橋本裕の日記
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オランダの男女は14歳の頃から、異性と特別な性的関係をともなう交際をはじめる。つまり中学生のうちに、たいていの男女はセックスを体験し、恋人をもつわけだ。
そして16歳ごろになると、親から独立して恋人と同棲生活を始めることが多い。学生同士の場合はとうぜん収入がないので、市役所に安い公営アパートを申請して、許可を取る。
国もまた生活費を特別支給して、こうした若者の自立を支援するので、オランダでは若者が親から離れて同棲生活をするのがそれほど困難ではない。それに、オランダ人は子供の頃から、自分でやりくりする方法にたけている。5,6歳の子供でさえ、安易に親から小遣いをもらうのではなく、自分で工夫して儲けようとする。
フランスのキャンプ場に行くと、オランダ人の子供たちがそこかしこで店を出している光景に出くわすそうだ。キャンプ場で拾い集めた珍しい形の石ころだの貝殻などをテーブルに並べて、それを売って自分たちの小遣いを稼ぐ。彼らはそのために、英語、フランス語、ドイツ語などを学び、それらを駆使して、商売にはげむのだという。
「オランダの子供たちを同じ世代の日本の子供たちと比べると、自分の力で生きるということの心構えという点で、大人と幼児ほどの大きな開きが出来ています。こうした子供がたくさん育っている限り、これからもオランダという国は商業を通じて発展し続けるでしょう」(「物語おらんだ人」倉部誠)
こうして親から自立し、同棲生活を始めたカップルが、そのまま結婚することはあまりなく、たいていは破局を迎え、またあらたなカップルができて、あたらしい同棲生活が始まるのだという。そして何人かの異性または同性と体験を重ねた上で、お互い充分納得した段階で結婚に踏み切ることになる。
オランダ人の結婚式はきわめて簡素である。彼らは日本の若者たちのようにホテルで豪華な披露宴を催したりはしない。そしてほとんどのカップルは教会ではなく、市役所で市長の立ち会いのもとで結婚式をあげる。オランダの市役所にはそのための祭壇が設けてあり、格安で式が執り行われるのだという。いかにも実質を重んじるオランダらしい。
このように慎重にことを進めても、離婚率はそれほど低くはない。そもそもオランダでは共同生活を始めるに当たって、二人はこの日があることを予定して契約書を作るという。つまり二人の共有するものをどのように分けるか、将来もめごとがおこらないようにしておくのである。オランダでは男女は平等であり、共同生活の解消や離婚に際しても女性が男性に慰謝料を請求することはない。
オランダ人は個性を殺してまで共同生活を維持する考えはなく、お互いに有意義であり楽しいことが共同生活をする動機なのだろう。彼らにとって結婚もまた、あらゆる人生の出来事と同じく、別離を前提にした「一期一会」の体験なのかもしれない。男女(男男、女女)の交際に置いても、オランダ人はあくまで自由かつ平等であり、自分自身であることにこだわり続けているようだ。
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