橋本裕の日記
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2001年08月05日(日) 文明と文化の共生

 昨日の朝日新聞に山折哲雄さんが、「教育改革、芸術・文化を第3の軸に」と題して書いている。日本のGDPはイギリス、フランス、ドイツの3国を合わせたものに匹敵する。こうした驚異的な経済力を持ちながら、日本は世界であまり尊敬されていない。

 それはそうした繁栄のシステムを日本は西欧から学び模倣したに過ぎないからだ。猿真似がいくら上手でも、尊敬はされない。むしろお金儲けしか頭にない経済優先の生き方は軽蔑の対象になる。

 こうした日本の現状に対して、山伏さんは、それはその通りだが、しかし日本にも一つだけ例外があるという。それは1千数百年の風雪に耐えて、この日本列島で辛抱強く育まれてきた日本の芸術・文化である。

「その伝統にたいしては、いかに西洋人といえども軽蔑の眼差しを向けることはできないであろう。それどころか、尊敬の念さえおこしてみつめるのではないだろうか」

 最近「教育改革」の声がかまびすしいが、どこからも芸術・文化の面を尊重しようと言う声が聞かれない。これに対して山伏さんは、科学技術創造立国と社会科学重視の2軸だけではだめで、芸術・文化を3軸に据えるべきではないか、「そのときはじめて、わが国の教育と学問は夢と希望と志のあるものになるだろう」と主張する。

 山伏さんの主張に全く同感である。山伏さんは控えめに、第3の軸と言うが、本音のところではこれが第1軸だと考えているのだろう。なぜなら、芸術・文化が根底にあって、科学技術や社会科学が発展するものだからである。西洋の科学技術文明の根底には西洋の4千年の文化の伝統がある。

 科学技術や社会科学は模倣が出来きても、芸術・文化はなかなか模倣が出来ない。しかし、我が国にも独自の芸術・文化の伝統があり、こうしたものを深める中で、東西の文化の対話が可能になる。

 


橋本裕 |MAILHomePage

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