橋本裕の日記
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2001年07月30日(月) 拡大する貧富の差

100万ドル以上の資産を持っている世界の金持ち600万人のうち、58%はアメリカと西ヨーロッパに、20%は日本を含むアジアに住んでいる。彼らの多くは、米国の株高などによって、資産を増やした。その値はこの半年で、7兆ドルにもなるという。この値は発展途上国のGDPの合計をはるかに凌いでいる。

 また、欧米に住んでいる金持ちの資産増加の平均は17%もある。アジアに住んでいる金持ちの資産増加は10%だが、これもアジア経済が低迷していることを考えると、驚きの数字である。金持ちの人々は、資産の多くをドルで持ち、国境を越えてアメリカなどに投資しているからだという。

 このように、金持ちはあまり自国の経済に左右されない。問題は投資先の経済状態である。そして、風向きが変われば、さっさと資金を回収し、投資先を変える。お金持ちでない普通の人はこうはいかない。自国の経済や、雇用状態に縛られて一喜一憂することになる。金持ちはいち早く経済のグローバル化に適応し、その恩恵を受けるが、一般の勤労者はそうはいかない。

 この結果、どこの国でも貧富の差が著しく拡大している。たとえば、アメリカ人で最も多くの給料をもらっている10%の人々と、最も少ししかもらっていない10%のとの給与格差は、1979年には3.6倍だったが、96年には5倍に広がっている。経営トップと平均的な社員との賃金格差では、アメリカの大企業では350倍になっているケースもある。

 アメリカ人は、「頑張れば私も金持ちになれる」というドリームを追ってきた。こうしたアメリカ流の自由主義経済システムが、ソ連邦が崩壊したあとのグローバリズムの波に乗って、全世界に広げられようとしている。その結果、この先、ますます世界で貧富の差が拡大していくだろう。

 自由な競争、能力主義の美名に隠れたあくなき金儲け主義をこのまま許し、この地上を一部の金持ちの支配する世界にしていいのだろうか。かつて、貧富の格差に対して憤りを感じたとびとは、社会主義革命を目指したのだが、市場原理を無視した社会主義は堕落した官僚主義をはびこらせ、結局人々にしあわせをもたらさなかった。

 それでは、現状に対して矛盾や憤りを感じる人々は今後どのような思想や理想を持って戦ったらよいのだろうか。庶民の立場に立った、あらたな「共生の思想」が今切実に求められているのだと思う。


橋本裕 |MAILHomePage

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