橋本裕の日記
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暑い日が続いている。夜が寝苦しい。そこで、これまでに見た夢で、一番怖い夢はなにか考えてみた。思い出したのが、次のような夢である。
どこからか黒い表紙の本が送られてきた。本の扉に「この書を読むべからず。災いが汝の身にふりかかるであろう」と書いてある。私はその禍々しい本を閉じようとした。
ところが、風が吹いてページがめくれ、私はそこに書かれてある文章を読んでしまった。そこにはこう書かれてあった。 「この呪文を唱えるべからず。汝は死ぬであろう・・・」
本を閉じようとするのだが、手が動かない。目を逸らせようとするのだが、視線は呪文に吸い寄せられる。そして、恐ろしいことが始まった。
私の口が動き出したのだ。私は自分の口から絞り出てくる、おどろおどろしい呪文を聴いた。口は動きを止めない。自分自身のものとは思えない声で呪文が唱えられるのを聴きながら、私は自分の死を覚悟した。
それでも私は咄嗟に「仏さんお助け下さい」という気持で、「南無阿弥陀仏」を唱えた。そして夢から覚めたのだが、しばらくは震えがとまらなかった。この夢のことが1999年2月27日の日記に書いてある。
2年経って、私はまだ生きている。日頃は迷信を否定し、「死ぬことは楽しみだ」などと吹聴している私だが、いざとなると仏にすがりつくしかない弱い存在であることを、この夢が教えてくれた。
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