橋本裕の日記
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2001年07月25日(水) 祇園太鼓の夜

かって定時制高校で同僚だった3人と、大阪、京都を1泊2日でまわってきた。昨日は大阪の難波で吉本新喜劇の観劇のあとと、京都の六角堂や本能寺の近くにある「花月」という宿に泊まった。

 吉本新喜劇を見るのは2回目だが、お昼の弁当を食べながら、くつろいだ雰囲気でそれなりに楽しめた。しかし、印象に残ったのは、京都の夜に、宿から近くの路上で見物した祇園太鼓である。

 宿で夕食をすました後くつろいでいると、宿の人がやってきて、「近くで太古が始まります。ぜひぜひ、いっておいでおいでやす」と進められた。京都は今「祇園の後祭り」の最中だという。暑い街の中に出ていくのが億劫だったが、熱心に勧めるので出かけた。

 そして、初めて身近に京都の太鼓を聞いて、その迫力にすっかり魅了された。とにかく太鼓を打っている人の表情がいい。その勇壮な太鼓にあわせて、見物人が手をたたき、踊っている連中もいる。腹にまで響いてくる太鼓の乱れ打つ音に身をさらせていると、知らず知らず興奮し、何かしら心の底から巨大な歓喜がわき上がってくる。

 太鼓を叩いていたのは、20人ほどだが、その中には女性や外人の姿もあった。鉢を振り上げ、体を踊らせ、交互に隊列を組み替えながら、前に進み、後ろに退き、大小さまざまな太鼓のリズムに合わせ、毛槍のような飾りを空に突き立てたり、鐘を鳴らし、かけ声を掛けたりしながら、何度も何度も、大きな波のような荒々しい高揚を作り出す。そして、人々を次第に宗教的ともいえるエクスタシーの絶頂へと盛り上げていく。

 それは私にとって原始的と言ってよい、神秘的で美しい圧倒的な体験だった。気がつくと暑さなどすっかり忘れていた。こんなに鳥肌が立つような、思わず身震いするような感動を味わったのは、高校時代にベートーベンを聴いて以来のような気がした。


橋本裕 |MAILHomePage

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