橋本裕の日記
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株価の下落が続いている。23日の日経平均株価は11609円と85年1月7日以来の低水準で取引を終えた。22日に閉幕した主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)で、具体的な景気・株価対策が示されなかったことに市場は失望感を強め、電機、精密などのハイテク株や銀行株を中心に、幅広い銘柄が大きく値を下げたのだという。
4月に小泉内閣が誕生して、一時は持ち直した株価だが、最近はどんどん下がる一方である。小泉内閣の示す「痛みの伴う構造改革」に、市場は希望を抱いていないようだ。かけ声ばかりで、青写真が一向に示されないのだから、市場が愛想を尽かすのも無理はない。
このまま、平均株価が下がり続けると、企業の倒産が増え、外資による企業買収がさらに加速されるだろう。やがて、日本企業の大半がアメリカを中心とする外資系の企業になりそうである。そうすると、この先、構造改革に名を借りたリストラの嵐がますます吹き荒れることになるだろう。
欧米が日本にことあるごとに「構造改革」や「不良債権の処理」を迫るのは、日本経済の低米が世界経済に与える悪影響を恐れるからだと専門家は解説している。そして、不良債権がこのまま増殖を続ければ、いずれダムが決壊するように日本経済が破綻し、そうなると日本発の世界恐慌という悪夢が現実になりかねないなどということが、もっともらしく語られている。
しかし、こうしたシナリオはたぶんに作られたものだと思う。各国首脳(とくにアメリカ)の本音はもっと現実的である。彼らの理想的なシナリオは、一口で言えば、日本の企業をいかに安く買いたたき、自国の経済の傘下におさめるかということである。アメリカはこれを「グローバリズム」と称している。
アメリカが不良債権の処理を強く迫る背景に、こうしたグローバル(世界乗っ取り)戦略が見え隠れしている。しかし、日本の小泉首相がこの認識を持っているのか、はなはだ怪しい。小泉氏に限らず、日本の政治家や学者は客観的な現実認識力や大局的な戦略的思考に欠けている。これも厳しい論理的思考力に支えられた自立的な意志力が脆弱なためだと思われる。
「未来は予測するものではない、選び取るものである」(ヨアン・ノルゴー、デンマークの環境学者)という言葉がある。経済学者は予測すれば足りるが、政治の最高責任者として、小泉首相は一刻も早く改革の青写真を明らかにすべきである。そして手遅れにならないうちに、よりよい未来を選び取る選択肢を、国民の前に明らかにしてほしい。
(今日から再び1泊2日の旅に出ます。大阪、京都をかっての学校の同僚たちとまわって来ます。したがって、明日の日記の更新は夜遅くなりそうです)
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