罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
僕は嘘吐きだ。 いい子になれなかった。 悪い子は死刑にされるんだ。 怖いよ、だから早く殺して。
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ちょっとした事で悪いものが影響してしまったよーで。 上記のような声がエンドレス&スクラッチ付きで流れてきます。 いつだか百物語した時に壊れたラジカセが丁度こんな感じで再生してくれたなぁ。 再生スピードは変わると声が低くて怖いから嫌だぁ。 もう少しで僕まで影響されるトコロ。
人間死ぬときゃ死ぬだろーけど、 微妙に頑丈なこの身体は長時間苦しんだ後の死しか許しそうに無い。 はっきりと、そんな死に方は嫌じゃぁ。 死ぬなら眠るよーに安らかに逝きたいんじゃボケ。 あ、でも心臓が止まる瞬間まで意識有りそうでヤダかも。
こういう蟲惑的な声は定期的に流れてくる。 最近は大人しいかなー、とか油断してると嘲るように聞こえる。 あんまり聞いてると眠くなって交代してるから危険。 今日はギリギリずっと『僕』で居られた。
強く、なれるようになったろうか。 最近通ってない病院の先生は、 『キミが強くならなきゃね』 っていってた。 それが、この身体に他人を抱えて生きる方法だと言うように。
『強い事は、寂しい事でもあるんだよ』 また、あの声がする。 『寂しい事すら、抑え込んでしまえる』 『感情すら無い、鋼の刃のような強さ』 悪ぃ。 そんな強さは強さじゃない。 僕の持つべきものじゃない。
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