罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
アタマの中にいっぱいのぐちゃぐちゃが 不安と焦燥で掻き回されて溢れている 何か思い出したくないモノと 何か思い出さなくてはならないモノが 三倍速の早送りで走馬灯の様に流れて行く 結局何も思い出せないのに 吐き気と歯の震えが止まらない
寒い 春が来て暑いはずなのに 凍えそうに寒いよ
熱い まるで熱病に浮かされたように 蕩けてしまう様に
目がよく見えない 視界が白くぼやけてピントが合わなくなる 心臓が痛い 今更の様に身体に打ち付ける 怖いよ
怖くない だって頼る人間などもう何処にも居ないのだから 痛くない だって助けてくれるのは自分しか居ないのだから
過去の上に笑顔を上塗りし 奥歯を噛み締めて震えを止めろ 道化を演じる時間だから 役割の中で僕は『本当の自分』を忘れ 幸せに生きるフリを出来るから
大丈夫 目を開いているから 何も出来なくても ずっと目を凝らしているから
だから今だけ 役割を忘れてもいいですか? 獣の様に泣き咽びたい時くらい 僕にだって在ってもいいじゃないか…
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