罅割れた翡翠の映す影
目次過去は過去過去なのに未来


2002年04月19日(金) 本 缶太郎

大会終わって暇なので、本を買ってみたり。

時間も無い中、ふっと目に止まったのは
『ハイデガー=存在神秘の哲学』古東哲明 著 講談社現代新書

…なんでこんなん買うかな〜…。
漫画本と一緒に哲学の本レジに出す右ピアスの怪しい生き物ってどうよ。
この全てに脈絡の無い構成がまたなんとも言えない。

それはともかく、素朴な哲学はとても大好きな僕。
同じ出版社から出てる『無限論の教室』とか『哲学の謎』とかも大好き。
明快でどーしょーも無いテーマと読みやすい文体。
後者は特に大切かと。
だって、訳判んなくて読めないんじゃ面白いテーマも面白くないでしょ?
高校生以上には誰でもお勧めの本。
中学生だと少し厳しいかも。

で、今回のこの本。
先の二冊に比べてしまうと少々専門用語がキツく、
ある程度理解していないとさっぱり判らない。
大学生向きなのは否めない感がある。
高校生でこんなの読むのもちと浮世離れしてるよーな気もするが。

少なくとも一介の理容師向きに作られたよーな本ではない。
『ニーチェにより』だの『デカルトが云々』だの『レヴィナスなら』のよーに、
知ってるよーな忘れてるよーなやっぱり知らんよーな人間が出るわ出るわ。
用語も『ゲシュタル』だの『エントロピー』だの『エートス』だの、
何処の言語かさっぱりな横文字が頻出する。意味もさっぱり。
一度読み通してはみたものの、あと十回は読まなければ片鱗も見えそうに無い。

だが、まぁ面白いと思う。
こういう訳判らん言語の判らない人間こそ、読んで欲しい事が書いてあった。
少なくともそう思えた。
読み解くのには疲れるけど、興味があれば是非読んで欲しいなァ…。

こういう疑問は子供の頃、こんな訳判らん言語を使わずに普通に考るのだろう。
答えの無い、素朴で、あまりにも身近すぎる疑問。
オトナになり、明日などと言う彼岸を見つめて居る内に忘れてしまうもの。
本当の自分と向き合う事。
なんか、忘れたくない。


Jade |MAILBBS

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