J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2006年02月07日(火)    そう、私には家族がある。

J (3.秘密の恋愛)

12. 夏の海 (2)


「純一さん、おにぎりの具、シャケとたらこでいいかしら。」
「暑いから生のたらこは心配だな、焼いたほうがいいよ。」
「そうね、あと、おかずは何がいいい?」
「やっぱさ、海、って言ったらラーメンだからさ、
 あとでラーメンも食べたいから、、簡単なものでいいよ。」

友美さんは、そうね、と言っていたのに、
当日の朝は4時前から起きてたっぷりのお弁当を作るのでした。
娘のユキと3人、団欒のひと時を楽しみにして。

2歳になるユキもまだ見ぬ海に小さな胸をときめかせ、
興奮してかやたら早起きをし、
言葉もまだうまく話さないのに盛んにはしゃぎました。

そう、私には家族がある。
唯一無二の掛け替えのない大切な家族がある。
そしてその家族にとって私は、
なくてはならない存在なのでした。


荷物を積み込んで。
ハンドルを握り高速に乗る私。
少し早めに出たせいか、思ったより空いている。

後部座席に乗る友美さんはユキを抱き、
海の歌など歌ってやって、
車中は行楽気分で楽しげな雰囲気に溢れてる。

車は高速をまっすぐに東に進み、
あるところで車線を変え高速を降りました。

あれ?という表情で友美さんが聞く。
「どこの海に行くの?」

私はふと急に、ハンドルを切ったのです。

この道はあの夜通った道。
でした。。(参照こちら


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