J (3.秘密の恋愛)
11. 一夜の夢 (38)
動かせないのだ。 少しでも動こうものなら、 身を溶かすような快感が身体中にほとばしり、 たまらなくイキそうになる。
私を包むレイの体内がヒクッヒクッと絞まり“私自身”を刺激する。 すると“私自身”はそれにきゅんと呼応し頭をもたげる。 ああ! そのたびに! 私とレイは快感に全身が包まれてまたイキそうになる。
これは夢なのだろうか。 今まさに私たちは夢見心地に桃源郷にあり、 とろけるような快感に浸っている。
夢でなければこの世にこのようなセックスがあるのだろうか。 私は腰ひとつ動かさずに果ててしまいそうだ。 まるでポリネシアンセックスのようなこの悦楽感。
私とレイはすべてぴったりひとつに交わって、 ただ挿入して抱き合ってそれだけで、 繰り返し感じあっている。
これは。 きっと夢なのだろう。 3年間思い続けてきたレイとこうしてひとつに結ばれて、 一千年の夢を叶える夢。
でなければ、レイが“私自身”を導き入れる筈がない。 太古の昔から涙溶かして愛睦みあった夢の海。 そこで私たちは一夜の夢を見ているのだ。
・・次第にレイの息遣いが荒くなる。
動かずに感じあっているだけで、 私たちは至福の瞬間に近づいてゆく。。
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