J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2006年01月25日(水)    私はレイに抱きしめられたまま、目を瞑りました。

J (3.秘密の恋愛)

11. 一夜の夢 (34)


レイは固く私を抱きしめたまま、
目を瞑ったまま、、
・・動かない。

私はレイに身を任せるよりありませんでした。
無理に身体を引き離してはならない、
引き離せばこの夜の夢が途切れてしまう、
そんな気がして。

私はレイに抱きしめられたまま、
目を瞑りました。
このまま時間が止まってしまえばいいのにと、
そう思いながら。。

・・

私たちは裸のまま抱き合っていました。
目を瞑りお互いを感じあっていました。
身も心もひとつになっていました。

肌と肌をぴったりと重ねて、
その“部分”だけは交わっていないけれども、
それを除けばすべてはひとつになっていました。

もう私たちのすべては終わったのです。
もう私たちのすべてを分かり合ったのです。
あとは、離れるだけ。

その最後のひと時をふたりひとつに共有している、
私にはそう思えていました。

互いにうまれたままの姿で。
ふたりこうして抱き合って。
目を瞑りふたり最後の夢を見ている。

愛し合った3年間の出来事が次から次へと瞼に浮かび、
出逢いから別れまでのすべてが夢のように流れゆく。

このまま時間が止まってしまえば、
私たちは永遠にこの一夜の夢を見れるのでしょう。
私たちは最後の夢を見ていました。。


  < Pre  Index  New >    


INDEX+ +BBS+ +HOME+ 
この物語はフィクションです。

My追加

+他の作品へのリンク+・『方法的懐疑』(雑文) ・『青空へ続く道』(創作詩的文章)