J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2006年01月23日(月)    ・・でもね、、結ばれなくってもいいんだ。

J (3.秘密の恋愛)

11. 一夜の夢 (33)


「まして僕は妻子ある身だ。」

「・・くどうさん、、」

「だけど、、
 だけど、好きになった。
 君を愛した。」
「・・・」

「そして今も愛している。
 運命が、現実が、どうあったって、
 どうしようもなく、。
 僕は君を愛してる・・。」
「・・・」

「だから、この今、だけは、
 一千年の一夜の夢をみたい、、。
 そう思って・・君を抱こうとした、、」

・・ぽつりぽつり話しながら私の目からは、
また涙が溢れていました。
しっかり堪えようとしていたのですが、ダメでした。

私の背に巻いたレイの腕がぎゅっと締まり、
レイは私を強く抱きしめました。
気持ちがひとつに感じました。

(ありがとう、、)
私は礼をするように心で頭を下げて、、
思い切るように気持ちを振り絞って言葉を繋ぎました。

「・・でもね、、
 結ばれなくってもいいんだ。
 僕はこうしてここで君と夢を見れた。
 たとえ結ばれなくても、結ばれようとした夢を見れた。
 君がいて僕がいて一夜の夢を見れた。
 僕は君に感謝するよ・・。
 ありがとう、、。」
私は一気に言ってまたぼろぼろと涙を零しました。
が、堪えて。

これでしまいだ、とばかりに身体をレイから離そうとしました。

・・しかし、レイは私を離さない。


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