J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2006年01月21日(土)    君を愛した事実とともに、僕はこの一夜の夢を一生忘れない・・。

J (3.秘密の恋愛)

11. 一夜の夢 (32)


「レイちゃん、、3年間、ありがとう、、。
 君と知り合えて僕は幸せだった・・よ、、。」

レイは首を振り、、。
「ううん、私こそ、、。
 くどうさんに出逢えて・、・・。」

そう言いながら、溜めた涙をつっと一粒零して声を詰まらせるレイ、。

私はその涙を手のひらで受け、
そっと指でレイの目じりまで辿りゆき、
レイの瞳を閉じさせて、。

・・レイの耳元に唇を近づけて話を続ける。

「今夜見た一夜の夢は僕の一生の思い出だよ、
 宝石のごとく大切にして生きてゆくからね。」
「・・ヒトヨノユメ?」

「そう、、一夜の夢。
 僕と君が一千年あるかないかの偶然に出逢い、
 運命の綾が不条理に交わって生まれた今宵、見た夢。」
「・・・」

「この先一千年の時を過ごしても、
 もうこの今は二度と訪れない、この時、この夜に、
 僕は一千年の一夜の夢を君と見れたんだ。」
「・・・」

「・・君を愛した事実とともに、
 僕はこの一夜の夢を一生忘れない・・。」


・・レイは瞳を閉じたまま黙って私の話を聞いていました。
そして閉じた瞳に涙を溜めて、もう一度、ぽつり、(一夜の夢・・)と呟きました。
私は(うん)とばかりに首を縦に振り答えて、。
話し続ける。

「レイちゃん、、僕と君は、恋人関係でもなく、
 もちろん婚姻関係にあるわけでもなく、
 現実的にはただの上司と部下という関係に過ぎない、。」

「・・・」


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