J (3.秘密の恋愛)
11. 一夜の夢 (14)
宇宙に上も下もない。 天地が崩れ逆さまに世界がなろうとも、 私は宇宙の中心で立っている。 この宇宙は私の宇宙。
私には揺るぐことない精神がある。 私はレイの瞳の海に身を投じてひとたび自我を失った、 だが私は確固たる私を失うことはなかった。 レイの海に飲み込まれながらも私は、 レイを私の宇宙に飲み込んだのだ。
突然、嵐が止みました。 雲が切れ、光が全体に広がりました。 みるみると空が澄み切り青空が広がりました。
ふと見ると、私のすぐそばにレイが蹲っていました。 レイは嵐の恐怖と雨に打たれた寒さで身を震わせていました。 私はレイを抱き寄せて身を暖めました。
心配ないよ。 嵐は収まったよ。 もう恐れるものは何もない。
レイは私を見ました。 そして瞳を閉じました。
私はレイに口付けする。
愛してる。。
・・
ラブソファに座りお互いの瞳の奥を見詰め合っていた私とレイは、 いつしか抱き合って口付けを交わしていました。
自然の男女が自然に愛の営みとして交わす、 そんな口付けでした。
レイは瞳を閉じて私に身体を預けていました。 私の宇宙のなかでレイは安らいでいるようでもありました。 私は優しくレイの髪を撫でました。
やがて私の手はレイの髪から頬へすべらせて頬を撫で、 また頬から肩へ柔らかく触れてゆき、 レイのふくよかな胸へと移りゆきました。
一瞬、レイはびくっとして、自分の胸を両手で守りました。
(だめ、、)
そう言うようにして。
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