J (3.秘密の恋愛)
11. 一夜の夢 (15)
だがレイの瞳の海の嵐を乗り越えた私には、迷いはなかった。 この場においての私はレイの“だめ”にひるむことはなかった。 先ほどのように、力が抜けてしまうことはなかった。(参照こちら)
私は確固たる私の意思が私を動かした。 私の手はレイの両手を握り、力ずくで退けようとした。
一瞬力と力がぶつかる・・。
レイのこの自分の胸を触られまいとする力は、 本能的なものなのか、意思によるものなのか? それとも?
ふっと脳裏をよぎった言葉は、“恥じらい”・・。
ねえ、レイ。 僕たちはひとつになるんだよ。 これから裸になるんだよ。 身も心も裸に。
恥らう君の心。 とても愛しいけれど。 でも。 今、この時は。
無理にでも君の心に着ているもの、 すべて脱いで。
私はもう一度レイに口付けました。 レイは唇を半開きにして受け入れました。 深く舌を絡め唇を吸うとほのかに甘い味が広がりました。
レイの閉じていた瞳がうっすらと開きました。 その瞳は恥じらいで熱く潤んでいました。 きっと“彼女自身”も、、。
(と私にはそう感じられました。)
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