J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2005年12月20日(火)    ふっと脳裏をよぎった言葉は、“恥じらい”・・。

J (3.秘密の恋愛)

11. 一夜の夢 (15)


だがレイの瞳の海の嵐を乗り越えた私には、迷いはなかった。
この場においての私はレイの“だめ”にひるむことはなかった。
先ほどのように、力が抜けてしまうことはなかった。(参照こちら

私は確固たる私の意思が私を動かした。
私の手はレイの両手を握り、力ずくで退けようとした。

一瞬力と力がぶつかる・・。

レイのこの自分の胸を触られまいとする力は、
本能的なものなのか、意思によるものなのか?
それとも?

ふっと脳裏をよぎった言葉は、“恥じらい”・・。


ねえ、レイ。
僕たちはひとつになるんだよ。
これから裸になるんだよ。
身も心も裸に。

恥らう君の心。
とても愛しいけれど。
でも。
今、この時は。

無理にでも君の心に着ているもの、
すべて脱いで。


私はもう一度レイに口付けました。
レイは唇を半開きにして受け入れました。
深く舌を絡め唇を吸うとほのかに甘い味が広がりました。

レイの閉じていた瞳がうっすらと開きました。
その瞳は恥じらいで熱く潤んでいました。
きっと“彼女自身”も、、。

(と私にはそう感じられました。)


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