J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2005年12月15日(木)    私は。胸高まり、、。レイの瞳に吸い込まれてゆくのでした。

J (3.秘密の恋愛)

11. 一夜の夢 (13)


レイの瞳は深い海のようでした。
私は吸い込まれるような気分になりました。

いつかもそうだったな。(参照こちら
あの時、俺はレイの深い海のような瞳を見て、
その深奥より光放たれる眼差しに胸が高鳴って、
ついその瞳の海に引き込まれそうになったのだった。

今またレイの瞳の奥には深い海が広がっていて、
熱く燃えるような光を放っている。

その光を見入っているうちに私は。
胸高まり、、。
レイの瞳に吸い込まれてゆくのでした。

・・

私はレイの瞳に吸い込まれるように、自我を失い、
気がつくとレイの瞳の海に漂っていました。

穏やかな海でした。
ぷかりぷかり浮いているとそのまま眠ってしまいそうな、
暖かな陽射しに溢れている海でした。

けれど、その海はとても深そうでした。
ちょっと潜ってみるとどこまでも深く海は広がっていました。
どんどん潜ってゆくと私はとても怖くなり、
慌てて海面に浮き上がりました。

すると、海は今度は揺らいでいました。
風が出てきたようです。
嵐がくるのだろうか。
私は岸を探しました、が、見渡す限り、海でした。

やがて海は大荒れに荒れてきました。
天地がぐらぐら揺れような荒れようでした。
波は何百メートルもの高さでうねりました。
雨は海面を刺すように叩き付けました。
風は水飛沫を一瞬にして遥か彼方に飛ばすほどでした。

だが、私は微動だにしませんでした。
風を受け、雨に打たれ、波を被っても、
海の中心で立ち続けていました。
そう、私は泳いでいたのではない。
海面に立っていたのだ!


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