J (3.秘密の恋愛)
11. 一夜の夢 (12)
「あれ?、工藤さん、またビール飲んでるの?」
レイは可笑しそうにくすくす笑ってそう言い、私の横に座りました。
「うん、なんだか、飲んでしまった。あはは。」
私はどうしてか力なく笑う。
「そう、、。もう飲みすぎですよ、工藤さん?」 「うーん、、。そう?」 「うん、そう。」
ふたりして「そう、そう」と言い合うから、それが可笑しくて、 私は今度は楽しくて笑う。 レイも私と同じように、楽しそうに笑った。
「ふふ、レイちゃん、ちょっとばかり長かったから、俺、ちょっとばかり心配したよ。」 「長かったって?」 「トイレ。」 「あは。」
今度はレイ、顔を赤らめて笑う。
「気分でも悪くなっちゃったのかな、って思って俺、」 「ううん、違うわ、。」 「じゃ、うんち?」 「また!違うわ!」
まったくも〜、工藤さんったら、、という顔のレイ、でも目は笑ってる。 あははは〜、っと私は笑って。
「じゃさ、、えっと、紙がなかったとか?」 「違います、!」 「じゃぁ、うーん、あれかな、やっぱ。」 「たぶん、違います。」
そか、と言って私は煙草に手を伸ばす。 レイを私のその手を見つめながら言う。
「あのね、工藤さん。」 「ん?、何?」 「私、ちょっと、ね。」 「うん、。」
ちょっと、考えた、んだろう? 今の状況、今の俺たち、それがどういうものなのか?
私はレイの次の言葉をまたずに言う。
「いやね、レイちゃん、俺も、ね。」 「俺も?」 「うん、。」
レイは私の顔を見入る。 私もレイの顔を見入る。 お互いの瞳の奥に何があるのか。 ふたりは見る。
ラブホテルのラブソファに座りふたり。。
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