J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2005年05月25日(水)    私の中のもう一人の私は、私の理性を超えて私を支配する。

J (3.秘密の恋愛)

10. 夜の公園で (13)


もう一度だけ、もう一度だけ、
もう少しだけ、もう少しだけ、。

ついさっき抱き合ったばかりなのに。
もう十分お互いの想いを確かめ合ったばかりなのに。
もう思い残すことはないと気持ちを断ち切ったばかりなのに。

もうちょっとだけ、もうちょっとだけ、
最後だから、最後だから、最後の最後だから、。

・・

ああ、この状況はあの時と似ている。
遠く記憶が蘇る。
あの時。
ふたりが初めて飲んだ夜。(参照こちら

あの時、あの瞬間。
レイとの別れ際、私は、、、
私自身をどうにもできなくなってしまったんだ。

私はレイを抱きしめて。
強引にキスをしようとしたのだった、、。


今もあの時と同じだ。
私はレイをもう一度抱きしめて、
それで済むわけがない。

私の中のもう一人の私は、
私の理性を超えて私を支配する。
私は情熱によってのみレイに接する。

わかっている。
きっとそうなる。
わかっている。わかっている。わかっている。


だがだめだ!
私はレイの瞳をじっと見つめ、、。

もう、、

既に抱きしめていた!。。



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