J (3.秘密の恋愛)
10. 夜の公園で (7)
「ん。ごめんね。君の気持ち、考えもしないで、 いきなり変な事を聞いてしまって。。 せっかく楽しく話していたのに、ダメだね、俺ったら。」
私は自分の愚かさを悔やみながら、心からレイに詫びました。
「さきほど、君の気持ち考えている、なんて言っていたのにね、 舌の根も乾かぬうちに、、なんとまあ、軽率な男だよな。 自分の気持ちばかり君に押し付けて、我ながら不甲斐ないよ。」
あーあ、と私は両腕を頭の後ろに回し、夜空を仰ぐ。 再び少しの間沈黙が流れて、、そのあとに。
「ううん、そんなこと、。ないです。」
レイはゆっくりと首を振りそう言いました。
・・
「工藤さんはダメなことなんてない。ダメなのは私。 最初っからわかっていたのに、心の奥底で工藤さんのこと好きでいた、 私がいけなかったの。」 「そんなこと、ないよ、。」 「工藤さんは言ってくれたわ。一番最初に。(参照こちら) 俺に恋しちゃいけないよ、って。なのに私は。」 「それはね、、。」 「なのに私は、これから始まる運命もあるんじゃないかしら、って。 そんなこと言って、工藤さんを困らせてばかりいたわ。」 「・・・。」
「でも、工藤さんと友美さんがご結婚された時に、 きっぱりとその想いは断ち切った筈だったの。 あの日から私は自分を変えた、その筈だったのに、、。」 「あの日、、?」 「、、工藤さんの結婚式の日。」
ああ、君は確かに変わっていた、あの日から。 新婚旅行から帰ってきた僕の目の前に現れた君は髪を染め指輪をし、 そして、、オンナ、を感じさせていた。(参照こちら)
そうだね。 あの日、君は、誰かに抱かれた、。 のだね?
猛烈なジェラシーが私を襲う。 だがそれは耐えなければならない。 何故なら私とて新婚旅行で友美さんを抱いていたのだから。 それも夢の中では、レイ、君と、、。(参照こちら)
「ん、、う、ん。」
私はただ頷きました。
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