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Ｊ （３．秘密の恋愛）
9. これからのこと （12）
私はかなり沈んだ気持ちになり、
一段一段考え考え階段を下りてゆく。
レイを走って追いかける気力も失せて。
階下に下りて表に出るとそこは真夏の夜の街。
都会特有のムッとする暑さでした。
私は訝しく周囲を見回して、さてどうしたものかと考える。
レイの行く先に見当はない。
これで、終わりかな、、。
これで、終わりなんだな、、。
これで、終わりにしよう、、。
そう思った瞬間、私は途轍もなく哀しい気分になった。
ぐっと涙が溢れそうになって歯を食い縛る。
なんで泣くんだよ、俺！
最初っから決まっていたことじゃないか！
分かり切っていた運命の幕引きじゃないか！
だが、駄目だ、、。
レイと出逢ってから今日までのことが、
じわっ、じわっと思い出されてしまうんだ、、。
誰も知らない俺の想い。
誰も知らない俺の葛藤。
誰も知らない俺の心の内側。
そして。
誰も知らない俺の涙。
誰も知らないのであれば泣いてもいいだろう。
誰も知らない恋の終わりの夜なのだから。
・・
私は人目を避けてとぼとぼと駅への道を歩く。
涙を噛み締めながら。。
「工藤さん。」
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