J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2005年01月20日(木)    本当は君が去って欲しくはないんだ。

J (3.秘密の恋愛)

9. これからのこと (11)


まったく、早とちりっていうか、、!

、、と、金払わなくっちゃ!

レイの後姿を目線で追いながら私は会計を頼んで。
その間レイは出口から外へ。
支払いを済ませ私は慌しく出口へ。

ちっ、!
もう間に合わないか、!

ショットバーは2階でした。
店から出て階段下を見下ろすと既にレイの姿は、、
影すらありませんでした、、。

・・

レイの奴、いったいどういう了見なんだ、、。

引き止めてくれないんだ、だと?
引き止めたいのは山々じゃんか!

私の気持ち考えてくれないんだ、だと?
そりゃ、君の気持ちを十二分に考えてるさ!

私のことなんてちっとも想ってくれてないんだ、だと?
こんなに想ってるのに、君こそ分かってないじゃんか!


だが、。

僕にはその資格がないんだ。
君を引き止める資格が、、。
僕に許されている資格は、君の上司、という立場だけなんだよ。

確かに会社にとって君は必要な人材だ。
そして僕にとっては君は欠かすことのできないスタッフのひとりだよ。

しかし、君の上司としての僕は、。
君の親御さんの考えも考慮しなければならない。
ましてこの間の葬式の時にあれほどよろしくと頼まれたのだ。(参照こちら
僕が君に言える言葉はそれらを鑑みて引き出すよりないんだ。


本当は、、。

本当は君が去って欲しくはないんだ。
いつまでも僕と一緒にいて欲しいんだ。

だが、僕にそれを言う資格はない。
何故なら僕は結婚している身なんだ。

そして君には彼氏がいる。
だからどうしようもないんだよ。

いくら僕が君を想っていても、、!


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