J (3.秘密の恋愛)
8. 誤解 (17)
「うーん、、。」と私はまた思い巡らす。 レイは何か考えるようにして、私の言葉を待って黙ってる。
ちょっとして私。 「あの、さ、」、、、また“あのさ”だ。 「?」、、、レイは怪訝な顔。
えーい、聞いてしまえ。レイの彼氏のこと。
私は腹を決めていきなり聞きました。 「レイちゃんの彼氏って葬式に来てたの?」 「えっ?」 レイは突然の問いに思いもよらぬふうにびっくりして。
「気になってたんだ、ずっと。」 「、、、。」 「いや、だから、何だということでもないんだが、、。」 「、、、。」 「ね、よかったら教えてくれないか?」
アルコールも加勢していたこともあったのでしょう。 私はついに聞いてしまいました。 そして、たて続けに質問をしました。
知りたくて知りたくて仕方なかった、レイの彼氏のこと。(参照こちら)
・・
レイは、少し躊躇いながら、困ったような顔をして。 しかし、口を開くと毅然として言いました。 「彼氏は、来てません。まだ、そんな関係じゃないんです。」
「、、そんな関係?」 「ええ、。」
そんな関係って、どういう関係なんだ? 私には分からない。
「つまり、親御さんには知られていない、そういうこと?」 「そう、」
それほど深い関係じゃない、そういうことなのかい? あー、まどろっこしいな、つまり、恋人、として、の。関係も浅いとか?
「そうなんだ、、。」 「そう、だから、来ていないの、。」
あー、聞きたいことがうまく聞けない!
だが、聞けない、、。 深く立ち入って聞いてはならぬと、 心の声が言っている。
だから聞けない、、。
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