J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年10月30日(土)    ちらとレイを横目で見る。レイはまっすぐ私を見てる。

J (3.秘密の恋愛)

8. 誤解 (13)


「えっと、、。お父さんは、おビールでらっしゃいますか?」

ふっと私は場の雰囲気を変えようと思い、
レイの父に酌をしようとして相好を崩しそう聞きました。

レイの父もまた笑顔を浮かべ、
「私は下戸なのですよ、工藤さん、お強いのでしょう、どうぞ、、」
と、逆に私に酌をしようとする。

下戸と聞き私が勧めるわけにもいかず、
「恐縮です。」と言いながら、
レイの父に差し出されたビールをコップで受け注いでもらい、
ぐっとひと飲みして、
「ありがとうございます、」と礼を言う。

そんな私を見てレイの父はにこっと微笑み、
「では、ごゆっくり、」
とその場を離れました。

「ありがとうございます。」ともう一度頭を下げる私。

・・

ちらとレイを横目で見る。
レイはまっすぐ私を見てる。

いろいろ聞きたいことだらけだよ。
だけど、今は聞かないがいいね。
あとでゆっくり聞こうかね。

私は無言でレイに語りかける。

レイは分かったか分からずか、にこ、と笑う。


ふぅ、と私はため息。


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この物語はフィクションです。

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