J (3.秘密の恋愛)
8. 誤解 (11)
レイは、自分の父が私に急にそんなことを聞いたので、 思いもよらぬという顔をして父の顔を見た後、私を上目遣いに見た。 その目は何かを懇願するようでもあった。
が、私にはその何かは分からない。
おおよそうまく言ってくれ程度のことだろうと思い、 私は大丈夫だよという顔で優しくレイを見やり、レイの父に答える。
「レイちゃんは、ほんとうによくやってくれています。 まだ入社して3年なのに、一人で何でもできる。 私の部署では欠くことのできない優秀なスタッフのひとりです。」
「そうですか。それはよかった。」 とレイの父は安堵したように言う。
続けて私、。 「その分忙しくて、毎晩遅くまで残業にもなりますし、、 ご実家になかなか顔を出せないとしたら、そのせいかもしれません。 そうですか、、。今後はもう少し配慮するように致しましょう。」
私としては当たり障りなく言ったつもりの言葉でした。 ですが、レイの父の顔付きは幾分困惑したように見えました。
すかさず私、。 「何か不都合でもおありなのでしょうか、?」
レイの父は少し考えて、 「いや、不都合ということではないのですが、 これからのことを考えますと、 少しばかりご相談することがあるかと思いましてね。」 と言う。
・・
これからのこと?
私は思い巡らす、、。 レイもさきほど言っていた、これからのこと。(参照こちら)
(お父さんは、・・・というけど、私は、・・・ですし。)
なんなのだろう。 これからのこと、、、。
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