J (3.秘密の恋愛)
7. 葬式 (9)
レイは涙で腫らした目をしていました。 「レイちゃん、このたびは、急で、。」 「いろいろすみません。この間はありがとうございました。」 「いや、何、構いはしないさ。で、いいのか。もう葬儀が始まるんじゃないのかい?」 「ええ、」 「じゃあ、早く戻りなさい、僕には気を使わずに。」
レイは少し困った顔をして。 「それで、なんですけど。」 「何?」 「いえ、その。お父さんが。」 「お父さんが、何?」 「直会に工藤さん出て貰えって。」 「ナオライ?」 「ええ、この間のお礼もしたいから、って。」
あっと。 それは困る。 というか、考えもしてなかった。
それに。 その。 レイの彼氏は。
「そ、それは、」
と私が言い掛けた時、お坊さんがやってくる。 レイはそそくさともといた場所に戻る。
私は取り残されて。
しかし、係りの人に促されて。 そこから移動して指定の場所に座る。
間もなくして。
読経が始まりました。
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