J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年05月15日(土)    きっとその男も来るに違いない。

J (3.秘密の恋愛)

7. 葬式 (6)


俺ならば、必ず行く。
好きな彼女の実の母の葬式だ。
行かぬわけがない。

きっとその男も来るに違いない。
どういう立場で来るにしても来るに決まっている。

ご家族と顔見知りで身内のように来るか。
まったく知られずにひっそりと来るか。
いずれにせよ、レイの彼氏はきっと来る。


レイの彼氏という男。
俺はまったくその人物を知らない。(参照こちら
はたしてどんな男なのだ。
名前も年恰好も何もかも知らない私にとって、
その男がこの男と見極めがつくだろうか、葬式の場で。

ああ、だが。
それは俺には無関係のこと。
その男がどんな男だろうが俺にはまったく関係がないのだ。

俺は俺の立場で葬式に参列する。
会社を代表して。
レイの上司として。
俺はそれだけの役割しか持っていないのだ。


しかし。
その時私は私を維持できるだろうか。
レイの恋人を認めた時、
レイに対する秘密の恋愛の情をひた隠し、
私は崩れずに私を維持できるだろうか。

、、、覚悟を決めておかなければならぬな。

いよいよの時のために。


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