J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年05月10日(月)    7. 葬式

J (3.秘密の恋愛)

7. 葬式 (1)


レイの母の葬儀は亡くなった二日後に通夜、そのあくる日が告別式でした。
社員の身内の葬儀にはその部署の上役が弔いに行く慣わしでした。(参照こちら
当然この状況では部長クラスが参列するのですが、
たまたま担当部長は出張に重なっていたため、
直属の上司である私が会社を代表して参列することになりました。

実は私が願い出てそうしてもらったのです。
私にはレイの母の葬儀に出席したい理由がありましたので。


レイは私の父の葬儀に来てくれていた。(参照こちら
彼女なりに考えて個人の立場で葬儀に来ていたのです。
私はこの義理を重く受け止めていました。

会社の慣わしは会社の慣わし。
個人としてはどうか。

普段一番身近に接している者の身内の不幸にあって、
お悔やみのひとつも言わないでいいのか。

レイが来てくれていた以上、尚のこと、私とて同じにしておきたい。
他ならぬレイなのだから。


私は会社にたんたんと事情を説明し、
私の資格で葬儀に行く旨了解を得たところ、
会社は、ならば工藤君に代表で行って貰おう、ということになったのでした。



こうして私は再びレイの実家に行くことになりました。


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