J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年04月06日(火)    6. 個人的な話

J (3.秘密の恋愛)

6. 個人的な話 (1)


私たちのセクションは大阪での成功もあって、
年間予算を3ヶ月ほどで達成するかの勢いでした。
おのずと社内では煌いている部署になって、
スタッフ一同活気に溢れていたものです。

しかし売れた反面、商品は底を付き、
輸入品のため追加発注もままならず、
何かと忙しい日々が続いていました。


私は営業の責任者として相変わらず飛び回っていました。

店頭の商品が品薄になっている関係上、
古い在庫や横流しして貰った商品を散らばせて、
なんとか7月のセールまで売り場を維持しようと、
売り場間を駈けずり回っていたのです。


レイもまた同様に売り場を飛び回っていました。

大阪出張後、成果は結果として会社に報告され、
その結果は誰もが彼女の力を認めざるを得ないものでした。

それを踏まえ私は彼女を総合職と同様に扱い、
そのことに対し誰も私を咎めることはできませんでした。


“6月のイベントを必ずや成功させてレイを認めさせる。”(参照こちら

それは実現したのだ。
誰に文句も言わせない。

既成事実を積み重ねて。
結果で判断してもらおう。

私は有無を言わさず実行に移したのでした。


そして。
7月になりました。


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