J (3.秘密の恋愛)
6. 個人的な話 (1)
私たちのセクションは大阪での成功もあって、 年間予算を3ヶ月ほどで達成するかの勢いでした。 おのずと社内では煌いている部署になって、 スタッフ一同活気に溢れていたものです。
しかし売れた反面、商品は底を付き、 輸入品のため追加発注もままならず、 何かと忙しい日々が続いていました。
私は営業の責任者として相変わらず飛び回っていました。
店頭の商品が品薄になっている関係上、 古い在庫や横流しして貰った商品を散らばせて、 なんとか7月のセールまで売り場を維持しようと、 売り場間を駈けずり回っていたのです。
レイもまた同様に売り場を飛び回っていました。
大阪出張後、成果は結果として会社に報告され、 その結果は誰もが彼女の力を認めざるを得ないものでした。
それを踏まえ私は彼女を総合職と同様に扱い、 そのことに対し誰も私を咎めることはできませんでした。
“6月のイベントを必ずや成功させてレイを認めさせる。”(参照こちら)
それは実現したのだ。 誰に文句も言わせない。
既成事実を積み重ねて。 結果で判断してもらおう。
私は有無を言わさず実行に移したのでした。
そして。 7月になりました。
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