J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年04月04日(日)    どうにもならぬことに苦しむ苦しさ。

J (3.秘密の恋愛)

5. 後悔 (9)


そして。
私には妻がいる。子どももいるんだ。
愛する妻と子が。

私とレイはただの上司と部下。
それ以上も以下もないそれだけの関係なんだ。

今更過去のことをとやかく悩むのはナンセンスというものだ。


なのだが、、、。

ああ、やはり私の中ではレイへの想いが溢れている。
否定しようとすればするほど胸が苦しくなる。

レイには“彼”かいる。
そう思っただけで重苦しい気分になってしまう。


嫉妬。

まだ私にもこんな感情が残っていたのか。

レイの彼氏とはいったいどんな奴なんだろう。
これまで少しの興味もなかった筈なのに。
今は無性に知りたくてなっている。


く、苦しい。

どうにもならぬことに苦しむ苦しさ。
すべては自分に原因があって誰のせいでもない苦しみ。

この苦しみは誰にも話すことは出来ぬ。
心の奥底で苦しみ、耐え、消し去るよりないのだ。

何事もなかったように。

何も変わらぬように。


  < Pre  Index  New >    


INDEX+ +BBS+ +HOME+ 
この物語はフィクションです。

My追加

+他の作品へのリンク+・『方法的懐疑』(雑文) ・『青空へ続く道』(創作詩的文章)