J (3.秘密の恋愛)
5. 後悔 (9)
そして。 私には妻がいる。子どももいるんだ。 愛する妻と子が。
私とレイはただの上司と部下。 それ以上も以下もないそれだけの関係なんだ。
今更過去のことをとやかく悩むのはナンセンスというものだ。
なのだが、、、。
ああ、やはり私の中ではレイへの想いが溢れている。 否定しようとすればするほど胸が苦しくなる。
レイには“彼”かいる。 そう思っただけで重苦しい気分になってしまう。
嫉妬。
まだ私にもこんな感情が残っていたのか。
レイの彼氏とはいったいどんな奴なんだろう。 これまで少しの興味もなかった筈なのに。 今は無性に知りたくてなっている。
く、苦しい。
どうにもならぬことに苦しむ苦しさ。 すべては自分に原因があって誰のせいでもない苦しみ。
この苦しみは誰にも話すことは出来ぬ。 心の奥底で苦しみ、耐え、消し去るよりないのだ。
何事もなかったように。
何も変わらぬように。
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