J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年03月31日(水)    何という身勝手な!

J (3.秘密の恋愛)

5. 後悔 (6)


「私、工藤さんが、好きでした。」

そう、俺はこの言葉を聞いて内心喜んでいた。
なのに、心とは裏腹に俺はそれを否定するに躍起になっていた。

そんなこと言っちゃ駄目だよ。
今更そんなこと聞いても何も始まらないんだよ。
言わないで欲しかったよ。

そして。
レイは私のことをずるいと言ったんだ。。。(参照こちら


確かに。
俺はずるい。ずるかった。
レイの言う通りだった。

すべて自分中心で考えてレイの気持ちなど考えていなかった。

婚約者がいるのは俺自身の問題じゃないか。
レイの想いまで閉じさせる理由にはならないんだ。

それを、俺は。

それを俺は、レイに押し付けたんだ。
レイの言葉を否定しようとしたんだ。

何という身勝手な!

しかし。
しかし、レイはそれをも認めた上で話したんだ。


・・

憧れ、か。
憧れが憧れのままでなくなったのは誰のせいなんだ!

工藤純一。

俺のせいじゃないのか!

婚約者がいるのにも拘らず、
新入社員のレイに好意を持った不埒な男。

俺がすべての元凶じゃないか!


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