J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年03月30日(火)    この告白を聞いて、私は内心喜んだのではないのか!

J (3.秘密の恋愛)

5. 後悔 (5)


私もまた心の中で泣いていた。
レイの涙は私の涙でもあった。

私はレイに好意を持っていた。
恋愛の情を持っていた。
がしかし、私には婚約者がいた。

私はその婚約者を愛していた。
にも拘らずレイに恋愛の情を持った。

この無常なる心情の揺らめき。

私は一度に同時に別々の愛情を持っていたのだ。

親愛の情と恋愛の情。
愛しいと思う心と恋しいと思う心。


そして。
私とレイは始まる事無く終わった。
それでよかった。

よかった筈なのに...。

ああ、私は3年の後、昨夜、自分の気持ちをレイに伝えてしまったのだ。


・・

「私、工藤さんが、好きでした。」

この告白は私が導き出したものなのだ。(参照こちら
私が注意して自制して話していればこんな展開にはならなかったはずだ。

私は何を求めていたのだろう。

だが。
この告白を聞いて、私は内心喜んだのではないのか!


自分に正直になって考えなければならぬ。

そして反省するのだ。


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