J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年03月25日(木)    言わなければ、それで済んだ筈だ。

J (3.秘密の恋愛)

5. 後悔 (4)


そう、昨夜はおよそ3年ぶりにレイと二人きりで酒を飲んだ。
あの晩以来。


・・

あの夜。

初めてふたりで飲んだ夜。(参照こちら
私が酔ってレイを抱き締めた夜。(参照こちら
そして、、、記憶がないと卑怯な嘘をついたあの夜。(参照こちら

上司が部下を酔った勢いで抱き締めて。
キスをしようとして。
涙を溜めて拒否して押しのけて逃げた。。あの夜。


私はそのことを詫びようとした。
しかしレイはその夜を、想い出の夜、と言ったのだ。(参照こちら

私の気持ちを確かめられてうれしかったと。(参照こちら

私に憧れて会社に入社したとも。


そして。

ああ、私は酒に酔ってしまっていたのだ。
レイと話すうちに3年間封印していたレイへの恋愛の情は解けてしまった。

私はこんなことを言ってしまった。
‥「僕の気持ち、確かめられた、さっきそう言ったね、レイちゃん、
  それは本当に確かだと思っていいよ。」‥と。(参照こちら

言わなければ、それで済んだ筈だ。

始まることなく終わったこと。

なのに。
私はそれを言ってしまったんだ。


私はレイを泣かせてしまった。


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