J (3.秘密の恋愛)
4. 無常 (12)
私は記憶の糸を辿ってその時の様子を思い出す。
、、、。
、、、そ、そうだ。 あの時私は友美さんから離れ新入社員の席に行ったんだ。 レイは、、、レイは一気呑みをしてたいそう酔っ払っていた。(参照こちら)
そして、あ、あ、ああ、、、、そ、そうだ。 私も皆に勧められ一気呑みをして、ぐてんぐてんに酔っ払ってしまったんだ。
あっ、あああ、、、、あの時、そう、何故だかレイが、レイが私の隣りにいた、、、 何故だか、私の隣にレイが座っていて、何かを話していた、、、
私は何を? 私はレイに何を話したのだろう?
「レ、レイちゃん、思い出したよ、あの時俺は君とずっと話していた、ね、」 、、、レイは黙って頷きました。
「俺は何か君に話していた、ずっと。」 、、、レイはもう一度頷きました。思い出して、と言うように。
私は額に両手を当て何とかして思い出そうと試みる。 だが、なかなか思い出せない。
レイが口を開く。
「さっき、言ったこと。」 「さっき、言ったこと?」 「私はさっき言ったことと同じことを話したの、 友美さんて、いい人ですね、私なんかよりずっと素敵な人ですね、って、」(参照こちら)
「う、うん、、、、で?」 「で、工藤さんもまたさっき言ったように話してくれた、」 「君には君のよさがある、、、。」 「そう、覚えていらして?」
、、、そう、だ。 そんな話、前にもしてる。
そう、だ。 あの晩、あの時。
そう、だ!
そしてレイはさっきと同じように、首を横に振ったんだ!
そう、そうだ!
そして俺は、、、!
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