J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年01月10日(土)    あの夜は。俺の記憶のない夜、、、。

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (4)


「夏季研修の、、、花火の夜、、、!」

私はレイの言葉を復唱し、またも気が動転しました。

花火の夜!
覚えているか、だって!
レイちゃん、何を、聞いているだよ、、、!

あの夜は。

あの夜は、、、
俺の記憶のない夜、、、。

そして、新しい命が生まれた夜、、、。(参照こちら
その約一ヶ月後、私は友美さんから妊娠の事実を聞いた。(参照こちら

確かに、レイちゃん、君にはあの晩、そう君とすし秀で飲んだ夜、
そのことを君に話したよ。
そして君は、僕はこれで確定だ、と決め付けるように言ったんだよね。(参照こちら

けど。
あの花火の夜、の件は君には話していなかった筈。

だから君には関係ない夜の筈、じゃんか、、、!


・・

気の動転を抑えて辛うじて言葉を発する私。
「は、花火の夜、、、、ん、うん、。あまり、よく覚えてない、けど、覚えていることもある、よ。」

私の返事を待ってレイは、ふぅっと溜めた息を吐き、
「そう、、、、。」と一言。

「どのこと、を、君は言っているのかな、」
「覚えてないんだ、工藤さん、」
「いや、だから、どのこと、って。」
「いいです、覚えてないのならば、」
「なんだよ、。覚えているって。だから、どのことだ、って。」

レイはまじまじとまた私の顔を見る。
私は、、、。
実際には覚えていないので、後ろめたくなり、目を逸らす。


レイは何を言っているのだ。
あの夜、レイに何か俺はやらかせていたのか。

あー、だめだ。
酔いが回って正常に事態が掴めない。


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