J (3.秘密の恋愛)
4. 無常 (3)
俺があの夜の出来事を覚えていると言ったあとに、 レイが立て続けに言った言葉。
想い出の夜。
・・ずっとそのことを気にしていた。 ・・自分はあの時うぶだった。(参照こちら)
でも。 ・・あれでよかった。 ・・いい想い出になった。 ・・俺の気持ちを確かめられた。
そして。 ・・俺に憧れて会社に入社した、、、。(参照こちら)
だから、なんだ? なんだというんだ。
俺がうろたえることはないじゃないか。
しっかりしろ、。 俺、。
・・
「工藤さん?」 「ん?」
レイが呼びかける。
「ん?、って、、、。工藤さん、急に黙り込んじゃって。」 「ああ、すまない、自分の世界に入り込んでしまったみたいだ。 酔ってしまったようだよ。ハハ、、、」
「私も、ちょっと酔っちゃった、、、」ニコリとして、レイ。
私もニヤリとして。 急に打ち解けた拘りのない気持ちが広がって。
私は思うままにペラペラと話し始めました。
「ま、こういうことだな。 つまり、レイちゃん、君は僕に憧れて会社に入社した。 それは僕を通して仕事に魅力を感じたからなんだよ。」
「で、君はあの当時はまだ入社したてで、うぶ、っていうか、 それこそ、当時、18歳だったのだから、幼くて当然さ。 そんなことよりも僕がしたあの行為は許されるものじゃない。 そのことについてはやはり僕は君に詫びておくよ。」
「君が何を想っていい想い出だとか言うのかは分からないが、、、。 いずれにせよ、過ぎた想い出だ。 いい想い出として残るならば、僕はそれでうれしく思うよ。」
「けどなぁ、僕の気持ちを確かめられた、で、うれしい、ってのはなぁ、 なんとも解せないけど、、、。 ま、いいや、ね、いい想い出、なんだもの、ね。」
、、、私はレイの返事を待たずに自分一人で話し、自分一人で話を〆ました。
レイは私の話の終わるのを待って、やっと、話す。
「、、、工藤さん、あの夜のことは、覚えてないんですか?」
「え?、あの夜って?」
「夏季研修の、花火の夜、、、。」
レイは私の目を奥を見据えて低い声で聞きました。
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