J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年12月28日(日)    ここであの夜のことをレイが口にするとは!

J (3.秘密の恋愛)

3. 想い出の夜 (11)


あの夜。

初めてふたりで飲んだ夜。(参照こちら

私が酔ってレイを抱き締めた夜。(参照こちら

そして、、、記憶がないと卑怯な嘘をついたあの夜。(参照こちら


ここであの夜のことをレイが口にするとは!


なんと答える。
うやむやに答えて誤魔化すか。

でも、ついさっきまでそのことを俺は気にしていたのだ。
レイが気にしてはいまいかと、気にしていたのだ。

タクシーに乗り込む時、レイがさほど気にしている様子がなかったので、
密かにほっと胸を撫で下ろしたばかりなのだ。(参照こちら

レイはやっぱり、気にしていたのだ。
あの日あの夜あの時の出来事を。

そう、、、忘れるわけがないじゃないか!

上司が部下を酔った勢いで抱き締める。
キスをしようとする。
涙を溜めて拒否して押しのけて逃げる。

こんなこと、忘れるわけがないじゃないか!



ああ、、、でも。

でも私はその当時、
キオクニナイと言って誤魔化したんだ。

私は卑怯な嘘をついたのだ。


覚えていますか?

そう聞かれてなんと答える。

どうする。

どう答える、クドウジュンイチ、よぉ。


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