J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年12月25日(木)    高校出の少女が大人になって、

J (3.秘密の恋愛)

3. 想い出の夜 (8)


「私のことならよかったのに、ひとりで帰れるのに、」
「そういうわけにはいかんよ、」(ここは出張先の大阪だ、)

「ふーん、じゃぁ、私をホテルに送ってとんぼ返りするとか?」
「そんなこと、考えてもいないよ、明日もあるんだからな、」

レイは私の顔を今度はまじまじと見ている。

「どうした?」
「いえ、」
「なんだよ、何か言いたいことがあるんなら、言って、気持ち悪いから、」
「工藤さん、変わったな、って思って、」

「変わった、って、どこがどう?」
「しっかりした、」
「おい、そんなふうに君に言われたくないな、子どもみたいに、」
「でも、そう思った、」

レイちゃん、俺ももう33歳だぜ、しっかりして当然、だろ。
まして部下を引き連れての出張中だ、グテグテ飲んだ暮れていられないよ。

「ま、そろそろ落ち着いてきたってことかな、」
「まだ早いんじゃないですか、落ち着くのは、」
「早い、。そうかな、でも、しっかりしたってのはいい意味で言ってくれたんだろ、」
「そうですけど、落ち着く、とは違います、」

「そうか、まあいい、けれど、君も変わったよ、」
「私、ですか、」
「うん、」
「どう変わりました?」


私はレイの入社以来の3年間をふっと振り返る。
高校出の少女が大人になって、今や俺とタメ口のようにこうして話している。

仕事ではものになった。

女としても、。

たぶん。


* * *

クリスマスラブストーリーUPしてます。(今日まで)

「僕たちのクリスマス」(こちら

お時間ある時に読んでみてくださいね。
よろしくお願いいたします。


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