J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年12月24日(水)    レイは私の顔をまじまじ見つめて。

J (3.秘密の恋愛)

3. 想い出の夜 (7)


鏑木さんたち3人は雑踏の中に消えて。

私とレイ、ふたりだけ。

夜10時近く梅田の交差点。


「さて、行こうか、。」と私。
「へ、どこへですか?」とレイ。

どこったって、ホテルに帰るに決まっている。

「ホテルに、だよ。それとも、どこか寄っていこうか、せっかく大阪に来たんだから、」
「でも、夜遅いし、いいです、くたびれちゃったし、」

あー、やっぱり、そうだよね、くたびれちゃったよね、。
うん、帰ろうね、ホテルに。

「そうしよ、明日もあるし、」
「はい、」

くー、なんてことだ、これじゃ、レイにご褒美、なんて、
考えていた意味ないじゃん、
くたびれちゃった、か、
これじゃ、ホテルのバーになんか誘えないな、、、

「じゃ、タクシー止めよう、」

私は大通りに向かって手を上げる。

、、、なかなか止まらない。


「ち、なかなか止まらないな、」
「すごい混雑ですものね、」

「いっぱい食べたか?」
「はい、お腹いっぱい、」

「酔った?」
「少し、、工藤さんは?」
「少し、」

レイは私の顔をまじまじ見つめて。
「そうですねぇ、いつもの工藤さんぽくないもん、」
「そっか、」
「うん、」
「飲み足らない?」
「あー、そうだな、少し、」

「本当は鏑木さんたちと行きたかったんでしょ?」
「何で、」
「顔に書いてある、」

そう言って、レイはくすくすと笑う。


* * *

クリスマスラブストーリーUPしてます。

「僕たちのクリスマス」(こちら

お時間ある時に読んでみてくださいね。
よろしくお願いいたします。


  < Pre  Index  New >    


INDEX+ +BBS+ +HOME+ 
この物語はフィクションです。

My追加

+他の作品へのリンク+・『方法的懐疑』(雑文) ・『青空へ続く道』(創作詩的文章)