J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年12月22日(月)    まして、夜遅く。ホテルのバー。なんて。

J (3.秘密の恋愛)

3. 想い出の夜 (5)


レイとふたりになれる。

とは言っても、この時間からどこに行けるわけでもありません。
私は宿泊しているホテルのバーにレイを連れて行ってあげようと考えていました。

そのバーはホテルの最上階にあって、大阪の夜景が綺麗に見渡せました。
ちょっと高級なバーなので、自分の財布ではなかなか行けるところではないのですが。

あそこならゆっくりくつろげるし、レイにとってもいい想い出となるだろう。

私はそう考えたのです。


しかし、問題もありました。

場所はそこでいいとして、果たして当のレイが誘いに乗ってくれるかどうか、ということ。

なにせレイは朝早くから働いていてくたびれきっているわけですから、
私と行動を共するより部屋に帰ってゆっくり休みたいと思っているかもしれません。

それよりも。
私とふたりきり、ということに警戒感が生まれはしないか、という不安がありました。

レイとふたりきり。
仕事中はよくあることですが、アルコールが入った時には決して有り得ない状況です。

私とレイは3年前のあの出来事以来ずっとそうなることを避けてきました。(参照こちら
私に恋愛感情はなくとも、レイにあの晩の苦い想い出がまだ残っているかもしれません。


まして、夜遅く。ホテルのバー。なんて。


私にはまったく下心はなくとも、疑われる余地が十分にある。

さて、なんと言って誘おうか。




* * *

クリスマスラブストーリーUPしました。

「僕たちのクリスマス」(こちら

お時間ある時に読んでみてくださいね。
よろしくお願いいたします。


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