J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年12月18日(木)    3. 想い出の夜 

J (3.秘密の恋愛)

3. 想い出の夜 (1)


前夜と同じく梅田へ出た私たちは居酒屋のような寿司屋に入りました。
東京でも確か銀座で見かけたことがあったようなチェーン店の寿司屋でした。
酒を飲めてつまみも豊富で食事もできる、そういう店が望ましかったので。


「今日は本当にみんな、お疲れ様でした。今日一日で予算の倍、実績ができました。
 明日もう一日ありますが、この勢いをさらに増すように、今夜は景気よく飲みましょう。
 んじゃ、鏑木さん、乾杯の音頭など、お願いいたします。」

私はそう言ってニコリとし、鏑木さんに一声貰いました。

「なんだい、堅っ苦しくよ、もうクタクタで喉カラカラだ、飲もう飲もう、
 はい、カンパーイ、だ、」
鏑木さんは満面に笑みを浮かべて杯を上げ、ビールを飲み干す。

私たちもにこやかにビールを飲む。
もちろん、レイも。

「うひゃ、うんめぇー。」と安田。
「やっぱ、仕事したっていう満足感があると最高だなぁ、おい、」と鏑木さん。
「本当にそうっすね、こんなにうまいビール、久しぶりだ、ね、レイちゃん、」と宮川。
「はい、おいしいです、とっても〜、」とレイ。
「さぁ、じゃんじゃん、飲んで食べよ、レイちゃん、好きなもん頼んでいいからな、」と私。

「なんでもいいんすか、工藤さん、予算、大丈夫ですか、」と安田。
「ああ、この店のメニューなら何でも大丈夫だ、なぁに、これだけ仕事したんだ、
 会社も何にも言わないよ、つか、言わせないよ、俺が。ね、鏑木さん。」と私。
「おうよ、なんたって一日中立ちっぱなしだぜ、それも食事もろくにとらないで、
 こんな仕事誰がやるって言うんだ、え、おい、俺たちしかできないだろが、」
鏑木さん、よっぽど仕事がきつくて、それでいてそれを成し遂げた喜びがあって、
かなり興奮して私に答えました。

「明日は今日みたいに5時からじゃないんだよな、クドちゃん、」
「はい、明日は準備がないですからね、7時半にロビーでいいでしょう、」
「よっし、そうと聞けばもう今夜は飲むぞ、がんがん行くぞ、」

「ああ、でも。お酒臭いのは困りますよ、明日も接客ですからね、」
「なぁに、その位心得ているって。さ、クドちゃん、飲もっ飲もっ、」
「はいはい、」


と。
またいつものように飲み会が始まったわけで。

どこに行っても懲りない面々です、、、。


  < Pre  Index  New >    


INDEX+ +BBS+ +HOME+ 
この物語はフィクションです。

My追加

+他の作品へのリンク+・『方法的懐疑』(雑文) ・『青空へ続く道』(創作詩的文章)