J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年12月16日(火)    私はレイに甘えて

J (3.秘密の恋愛)

2. 出張 (13)


戻ってきたレイに私は言いました。「どうしたんだい?、いやに早いじゃないか。」
「でも、工藤さんも休んでいないのに、私ばっかり休めません。」
「そんな、気にするな、まったくこんな早くちゃトイレ行って帰ってきただけだろうに、」
と、そう言う間もなく、またお客さんの声、レイは「はい、」と返事し接客に向かう。

(しようがないなぁ、食事もとらずに、、、)

レイは私を振り返り、(行ってきて、)と目で合図を送る。

(おいおい、これじゃどっちが上だか、、、まぁ、うん、わかったよ、)

私はレイに甘えてすっと持ち場を離れ、休憩所へ行き一服つけることにしました。



私はタバコを吸いながら考える。

レイは本当によくできるようになった。
責任感を持って生き生きと仕事をしている。
俺がいなくてももう十分やっていけるくらいだ。

この出張から帰ったらもう一度レイの総合職への稟議を上げよう。

そうだ、鏑木さんにもここでのレイの働き振りを説明してもらおう。
鏑木さんは経理部出身だから、経理担当専務の懐にも入ってゆける。

よし。
と言って時計を見るともう20分。

レイの奴、本当にトイレだけで帰ってきたんだな、、、。

もう戻らなくっちゃ。


私は会場へと戻りました。



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