J (3.秘密の恋愛)
2. 出張 (13)
戻ってきたレイに私は言いました。「どうしたんだい?、いやに早いじゃないか。」 「でも、工藤さんも休んでいないのに、私ばっかり休めません。」 「そんな、気にするな、まったくこんな早くちゃトイレ行って帰ってきただけだろうに、」 と、そう言う間もなく、またお客さんの声、レイは「はい、」と返事し接客に向かう。
(しようがないなぁ、食事もとらずに、、、)
レイは私を振り返り、(行ってきて、)と目で合図を送る。
(おいおい、これじゃどっちが上だか、、、まぁ、うん、わかったよ、)
私はレイに甘えてすっと持ち場を離れ、休憩所へ行き一服つけることにしました。
私はタバコを吸いながら考える。
レイは本当によくできるようになった。 責任感を持って生き生きと仕事をしている。 俺がいなくてももう十分やっていけるくらいだ。
この出張から帰ったらもう一度レイの総合職への稟議を上げよう。
そうだ、鏑木さんにもここでのレイの働き振りを説明してもらおう。 鏑木さんは経理部出身だから、経理担当専務の懐にも入ってゆける。
よし。 と言って時計を見るともう20分。
レイの奴、本当にトイレだけで帰ってきたんだな、、、。
もう戻らなくっちゃ。
私は会場へと戻りました。
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