J (3.秘密の恋愛)
2. 出張 (8)
食事中レイは私の斜向かいに座っていました。 私と鏑木さんが隣り合わせ、向かいに宮川、レイ、安田と並んで座り、 気心知れた仲間達に囲まれてレイは楽しそうでした。
私服に着替えたレイ、ハイネックの綿の半袖ニットを着て色は黒、 パンツも黒、大人びた雰囲気を醸し出し、いつもの感じとは違って見えました。
出張先の夜、開放感が私にそう感じさせていたのかもしれません。
レイも少し飲んで酔っていたようです。
・・
宮川と安田と別れ、私達3人はタクシーを止めました。 宿泊のホテルまでおよそ10分。 私、レイ、鏑木さんと順に乗り込みます。
レイを真中に。
「クドちゃん、明日の予定は?」と鏑木さん。 「ロビーに5時、でお願いします。作業できる服装で。」と私。 「朝メシは?」 「会場の準備が終わってから取ります、たぶん7時には準備が終わるので、 そのあと部屋に帰ってシャワーを浴びて、それからの予定です、」 「うい、分かった、ハードだな、」
レイは間に挟まれて窮屈そうにしながら、鏑木さんと一緒になって頷いている。
「レイちゃん、女性は身支度が大変だろうけれど、これも仕事だ、 がんばって起きてきてね、モーニングコール、頼むといいよ、」と私。 「どうすればいいんですか?」とレイ。 「どうすればって、フロントに頼めばいいよ、」と私、笑顔で。 「あ、はい、」とレイ、照れたように。
そういえば。 レイとこうして隣り合わせでタクシーに乗るのって。 、、、あの晩以来だな。
あの日から随分と月日が経ったものだ。
そしてあの日から随分とレイも私も変わったものだ、、、。
私はレイの身体を肩に感じながら、 レイと初めて飲んだ夜のことを思い出しました。
あの晩、私は自分をどうにもできなくなって、 レイを後ろから抱き締めてしまったんだ、、、。(参照こちら)
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