J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年12月11日(木)    あの日から随分とレイも私も変わったものだ、、、。

J (3.秘密の恋愛)

2. 出張 (8)


食事中レイは私の斜向かいに座っていました。
私と鏑木さんが隣り合わせ、向かいに宮川、レイ、安田と並んで座り、
気心知れた仲間達に囲まれてレイは楽しそうでした。

私服に着替えたレイ、ハイネックの綿の半袖ニットを着て色は黒、
パンツも黒、大人びた雰囲気を醸し出し、いつもの感じとは違って見えました。

出張先の夜、開放感が私にそう感じさせていたのかもしれません。

レイも少し飲んで酔っていたようです。


・・

宮川と安田と別れ、私達3人はタクシーを止めました。
宿泊のホテルまでおよそ10分。
私、レイ、鏑木さんと順に乗り込みます。

レイを真中に。

「クドちゃん、明日の予定は?」と鏑木さん。
「ロビーに5時、でお願いします。作業できる服装で。」と私。
「朝メシは?」
「会場の準備が終わってから取ります、たぶん7時には準備が終わるので、
 そのあと部屋に帰ってシャワーを浴びて、それからの予定です、」
「うい、分かった、ハードだな、」

レイは間に挟まれて窮屈そうにしながら、鏑木さんと一緒になって頷いている。

「レイちゃん、女性は身支度が大変だろうけれど、これも仕事だ、
 がんばって起きてきてね、モーニングコール、頼むといいよ、」と私。
「どうすればいいんですか?」とレイ。
「どうすればって、フロントに頼めばいいよ、」と私、笑顔で。
「あ、はい、」とレイ、照れたように。


そういえば。
レイとこうして隣り合わせでタクシーに乗るのって。
、、、あの晩以来だな。

あの日から随分と月日が経ったものだ。

そしてあの日から随分とレイも私も変わったものだ、、、。


私はレイの身体を肩に感じながら、
レイと初めて飲んだ夜のことを思い出しました。

あの晩、私は自分をどうにもできなくなって、
レイを後ろから抱き締めてしまったんだ、、、。(参照こちら



  < Pre  Index  New >    


INDEX+ +BBS+ +HOME+ 
この物語はフィクションです。

My追加

+他の作品へのリンク+・『方法的懐疑』(雑文) ・『青空へ続く道』(創作詩的文章)