J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年12月07日(日)    週末の梅田の町は人で溢れていました。

J (3.秘密の恋愛)

2. 出張 (6)


午後8時をまわっていました。
週末の梅田の町は人で溢れていました。
老若男女入り混じり、勤め人もいれば学生もいる、
上野と池袋と新宿が一箇所に集まったような町、
それが東京生まれ東京育ちの私の目から見た梅田のイメージでした。

交差点で信号待ちしながら宮川が心配げに私に尋ねました。
「工藤さん、座れる店、ありますかね、この混みようで、」
「知らん。安田とふたり、すまんけれど、先行って様子を見てきてくれないか。」
「あ、はい、どんな店がいいんでしょうか、」
「そうだな、」
と言いながら私は鏑木さんの顔をチラリと見ました。
鏑木さんはレイとガハハと笑いながら楽しそうに話している。
「んと、椅子席じゃなく座敷、でね、食事ができる店、だな、」
「椅子席じゃなく座敷、で食事ができる店、ですね、了解、おい、安田、いくぞ。」
とばかり、宮川は安田を連れて走って先に行きました。
あれだけ新幹線の中で飲んでいてもまだまだイケル、そんな感じでした。

やがて安田が走って戻ってきました。
「工藤さーん、どこも開いてないっス、どーしましょ、」
「どーしましょ、ったって、探すよりないよ、、んっと、あそこ、どうだった?」
私はちょっと先に見えたうどん屋の看板を指差しました。
「あそこはー、聞いてないっす、だってうどん屋ですよ、
 大阪来てこれからって晩にうどんはないでしょー、工藤さん、」


何言ってんだ、俺たちはメシ食べにきたんだゾ、うどん屋で十分、
それとな、うどん屋ったって、酒も飲めるはずだぞ、ここらへんじゃ、
と言いながら私たちはうどん屋の暖簾をくぐる。

案の定、二階に座敷があり、そこでゆっくり寛げるとのこと、
6月、時期外れだがうどんすきでもどうですか、と店の者に言われ、
鏑木さんも、お、いいね、と。

じゃあ、ここにしようと、一同、二階の座敷へと。

宮川はどうした、そうでした、あのまま店を探している、
おい、安田、探して来い、はい、分かりました、と安田席を立つ。

暫くして宮川と安田戻り、さて、飲もう、ビールだ、酒だ、と賑やかに。


やがて夜も更けていく。


+++お知らせ+++
明日一日だけ都合により「J(ジェイ)」を休筆します。
よろしくお願いいたします。


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